1998年7月　大阪で個展を開いた時、ノダゴローが連絡をくれた。「写真展見てきたで。写真を見ながら一曲出来た。」と。「寒い朝」アフリカ・モロッコの山岳地方で雪山を背景に、子供たちが微笑みかけている朝のシーン。ノダゴローはこの写真を一番気に入って、同時に曲が出来てしまったと話してくれた。
翌1999年　私の撮ってきた子供たちの写真とそこからのインスピレーションによって出来たノダゴローの曲でCD付き写真集を作ろうという話が持ち上がった。
「こどもの情景」写真集＆MusicCD。あまり知られていないノダゴローの多分3番目のアルバムである。 わずか100冊だったが、ほとんどがすぐに売れた。
その中の「アーモンドの咲く頃」は、同じくモロッコの山の中でちょうど下校途中の子供たちを撮った写真から出来た。そして彼がよく弾いていた「瞳の中に（In the eyes）」は、私の代表作、ネパールの幼い少女を撮った作品から出来た。無邪気な少女の笑顔とともに、世界の平和を願っていた。
写真展や講演のBGMに即興演奏をしてくれたり、彼の演奏のバックに映像を流したりした。今ではもう懐かしい思い出である。


2006年6月突然この世を去ったアコースティックギタリスト　ノダゴロー　あの日から3年　ようやく追悼のイベントが開かれる。
追悼ライブ当日、ノダゴローのCDをバックに、こどもの情景の写真を上映したいと考えております。

2009.6　　水　野　秀　彦